TOP >「ロシア国家の歴史」 >帝国への処方箋

第十五巻 帝国への処方箋

歴史シリーズの8作目。1855年から1894年まで、アレクサンドル二世とアレクサンドル三世の治世について書かれています。

アレクサンドル二世は、農奴解放をしたことで有名。別名「解放者」と呼ばれております。

農奴というのはよく分からんのですが、小作人よりも奴隷に近い?人身売買されるような身分だったっぽいです。

クリミア戦争で、近代的なイギリスやフランスに対抗できず、近代化が必須となったロシア。アレクサンドル二世はリベラル的な政策で、ついに懸案の農奴解放を達成。

ただ自由にしすぎた副作用か、反体制派のテロが横行し、最後は爆弾で暗殺されてしまいました。

アレクサンドル二世の子供のアレクサンドル三世は、父の暗殺を受けて即位。周りからはボンクラと思われていた人物のようですが、優秀な兄が急死したために帝位につくことに。

なんせ親父が暗殺されてますので、かなり反動的な政策をとって、いろいろ自由を制限したらしい。ただその分、社会は安定したようですが。

とはいえそれは見せかけの安定で、弾圧された反体制派は地下にもぐり、やがてはロシア革命を引き起こすことになるのですね。

この巻はロシアの社会変化的なことが長々と分析されていて、何が言いたいのかよく分からんのですが、どうも「今まで圧制すぎて中間のブルジョア階級が育たなかったため、共産主義者が革命の実権を握ることになった」というのがアクーニン氏の歴史的な見立てらしい。

いまではソ連が無くなって久しいですが、共産主義国家はいけません。現実は理屈通りにはいかないのでね~。

参考画像

絵画で見るロシアの歴史。

「解放者」アレクサンドル二世。凄いヒゲ。
周りからあまり賢いとは思われていなかったアレクサンドル三世。確かに知的ではなさそう。

「ロシア国家の歴史」TOPへ戻る